固定資産税が高すぎる!急な相続でロードサイドの広大な土地を取得した不動産知識に乏しいシングルマザーKさんがとった活用方法とは?
今回ご紹介させていただくのは、急な相続でロードサイドの広大な敷地の自宅を所有することになったKさんの事例です。
自身のパートで生計を立てるシングルマザーのKさんは、直近で広大な土地を相続しましたが、初めて見た固定資産税の額に驚愕し、安易に維持を続けることが難しいと感じられたためご相談をいただきました。
パートをしながら女手一つで学生のご子息様を育てられているため、なんの対策もせず悠長に固定資産税を払い続けるわけにもいかず、かと言って誤った選択もしたくないという状況でした。
相続した土地はロードサイドに面する土地で、近隣には高層マンションが立ち並ぶような立地ですが、マンション経営の知識もなかったためご自身だけでは答えが出せないとのことで弊社でサポートさせていただくこととなりました。
この事例を簡単にまとめると、、
対象不動産 | ロードサイドの広大な敷地を持つ自宅 |
相談から対策完了までの期間 | 約2年 |
問題点 | ・固定資産税が高く、土地を維持しながら居住することができない ・相続した金融資産は納税で相殺され、残された資産は当該不動産のみ |
実行案とその効果 | ・相続した土地を2分割し、1つを売却 ・売却益で別の場所に自宅を購入 ・残った土地でフルローンにてアパートを建築 ⇒固定資産税を抑えた自宅と現金、定期的な収入源を確保 |
相続した不動産の固定資産税が高くて驚いたご相談時の悩み
- 固定資産税が高く、土地を維持しながら居住することができない
- 相続した金融資産は納税で相殺され、残された資産は当該不動産のみ
相続した物件の固定資産税額に驚き
相続した不動産は、駅からも近いロードサイドの立地であり、さらに地積も大きい物件でした。
相続前までは被相続人と相続人、相続人のご子息が住む自宅でしたが、固定資産税の支払いなどは被相続人に任せっきりであったため相続後に固定資産税の額を知り驚愕してしまったようです。
相続人はパートで生計を立てるシングルマザーであり、ご自身の収入を考慮すると相続した自宅で固定資産税を支払い続けることが厳しく、ご子息も学生でありお金のかかる時期であることから、あまり悠長に解決策を考えるわけにもいきませんでした。
相続対策ができず、金融資産は相続性と相殺
また、急な相続であったため相続対策ができておらず、相続した金融資産は相続税で相殺され、残った資産は当該不動産のみとなってしまっていました。
そのため、急いで解決策を講じたいものの間違った選択ができない状況であり、様々な案を検討しつくした結果、ご相談から解決までに約2年の歳月がかかりました。
相続税は、個人の死亡により財産を相続または遺贈により取得した個人に対して課される税金です。
前もって十分な対策を行うことで、納税額を減額したり、相続後の資金計画に余裕を持たせることができます。
相続が発生してからではどうしようもありませんので、早め早めの対策で大事な資産を守ることができます。
弊社では相続対策に関するご相談を受け付けていますので、「ウチはまだ早いかな?」と思わずお気軽にご相談ください。
相続した不動産の固定資産税が高くて驚いた際に検討すべきこと
- 固定資産評価が正当か確認する
- 不動産を売却する
- 土地活用して収益を上げる
相続により取得した土地の固定資産税が自身の収入に見合わないと感じた場合には、土地を売却するか、収益を上げる方法を検討する必要があります。
また、固定資産税の評価が妥当ではないと感じた場合には固定資産評価審査委員会へ審査の申出をすることもできます。
固定資産評価審査委員会に審査の申出をする
固定資産税納税者は、固定資産課税台帳に登録された不動産の評価額に不服がある場合、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができます。
固定資産税は3年に1度評価替えが行われるため、原則として評価替えを行う年度にのみ審査の申出が可能となっていますが、以下の場合には例外的にいつでも審査の申出を行うことができます。
- 家屋の新築や土地の分筆等により、新たに価格等が固定資産課税台帳に登録された場合や、家屋の増改築や土地の地目の返還等によって価格が変わった場合等
- 家屋の増改築や土地の地目の変換等によって、評価替えをすべき旨を申し立てる場合
- 地価の下落により修正された土地の、価格の修正に関する部分
- 地下の下落に伴う土地の価格の修正がされなかった土地について、修正されるべきである旨を申し立てる場合
- 償却資産の価格に関する事項
審査の申出は、あらかじめ税務課から課税根拠などについて説明を受けた上で弁護士や不動産鑑定士に相談して手続きをするのが一般的です。
弊社では経験豊富な士業事務所と提携していますので、まずはお気軽にご相談ください。
不動産を売却もしくは土地活用して収益化する
収入と固定資産税額が見合わない場合、不動産を売却して固定資産税を減らすか、土地活用をして納税分の収益を上げる必要があります。
売却して固定資産税を減らす方法
不動産そのものを売却してしまう方法とや、等価交換事業にて土地と引き換えにマンションの部屋を取得する方法があります。
いずれも土地の所有権を手放すことになりますが、売却では現金を、等価交換ではマンションの部屋を確保することができ、固定資産税を減らす方法としても有効です。
等価交換事業についての詳細はこちらの事例で解説しております。
収益を上げる土地活用の方法
土地活用によって収益を上げる方法はいくつもあります。
- 共同住宅の建築
- 賃貸併用住宅の建築
- 商業ビルの建築
今回のケースでは駅近のロードサイド物件ということもあり、賃貸マンション需要もテナント需要もあったため、かなり幅広く計画案を比較しました。
実際に行った解決策
- 相続した土地を2分割し、1つを売却
- 売却益で別の場所に自宅を購入
- 残った土地でフルローンにてアパートを建築
今回のケースでは、相続した広大な土地を半分に分け、片方を売却し、売却した資金で別の場所に自宅を購入しました。また、残った土地にはフルローンでアパートを建築し、継続的な収入を得ることができるようになりました。
この結論に至るまでには、土地全体をマンションデベロッパーに提供し、マンションを建築してもらうことで土地相当分の部屋を取得する「等価交換」や、土地全体を活用して賃貸併用住宅を建築する案なども検討しましたが、共同住宅ではなくこれまで通り一軒家に住みたいという思いと、次世代にできるだけ借入を残したくないという思いから約10カ月悩みぬいたうえでこの結論に至りました。
解決策の効果
- 固定資産税を抑えた自宅を確保
- 定期的な収入源を確保
立地がよく広大で固定資産評価の高い土地を半分売却することと、残した土地でアパートを建築することで、相続した土地にかかっていた固定資産税を大幅に減額することができました。
相続した広大な土地は自宅のみとして使われていましたが、規模が大きいため土地の課税標準額が割高になっていたため、半分売却して残り半分にアパートを建てることで、土地は半分になりましたが固定資産税額は当初の半分ではなく3分の1以下となりました。
今回のケースでは、近隣の共同住宅は単身者向けの部屋が多かったため、収益性はやや落ちるものの将来を見越して2LDKの各戸駐車場付きのアパートを建築しました。
さらに、土地の半分を売却した資金を使って、住宅ローンを組まずに自宅を購入したため家庭内のキャッシュフローは大幅に改善し、安心してお子様を育てられる環境を整えることができました。
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