管理のできない空き家はどうするべき?空き家条例が適用されるとどうなるのか?

今回ご紹介させていただくのは、自宅から遠く管理のできない空き家を所有するNさんの事例です。

空き家はもともとオーナー様のご実家でしたが、今は生活の拠点を移されており、オーナー様もそのご子息様も遠方にお住まいで、管理が行き届いていない空き家がありました。

東京都下の人気の住宅エリアに立地する物件ですが、建物はすっかり老朽化し、野生動物が住み着いているような形跡もあるほど荒れ果てており、近隣からクレームが入ることもありました。

オーナー様は御年70歳を超えており、これから建物を整備するだけの借り入れをすることもできないだろうと諦められており、そんな中ご家庭の事情もあり空き家の手入れすらできない状況が続いていたため、固定資産税の上昇や空き家条例適用のご懸念から、弊社に対策のご相談をいただきました。

この事例を簡単にまとめると、、

対象不動産空き家(東京都下の人気エリア)
相談から対策完了までの期間13カ月
問題点・管理ができておらず、老朽化により近隣からクレームあり
・現状では次の世代に相続しても負担になるだけの物件
実行案とその効果空き家を解体し共同住宅を建築
サブリース契約で管理もおまかせ
⇒次の世代にも喜ばれる資産になった
目次

管理のできない空き家オーナーのご相談時の悩み

  • 空き家を所有しているが、管理ができていない
  • 管理ができていないので、近隣からのクレームあり
  • 自身の老後資金、子への相続のための対策をしたい

もともとオーナー様のご実家であった物件が今では空き家となっており、建物の老朽化や植栽の管理不行き届きから、衛生面や防犯面で近隣住民の方からクレームが入ることもありました。

現在遠方に住まいを移されており、またご家庭の事情から定期的に物件の清掃をしに行くことも難しく、荒れ果てた空き家は年々上昇する固定資産税を支払って近隣住民からのクレームをいただくような負の物件となってしまっていました。

空き家条例の適用も心配であったため、将来ご子息様に相続する場合でも喜ばれる方法を考えたいとお悩みになっていました。

「空き家条例」とは?

建物の老朽化による倒壊などの危険性や、害虫・害獣の発生、不審者による放火などの被害を引き起こす可能性がある放置された空き家をなくしていくための条例。

空き家条例が適用されてしまった場合、

  • 所有者の氏名の公表
  • 植栽の伐採・除去
  • 建物の取り壊し

などの罰則があり、植栽の伐採費や建物の解体費はオーナー様に請求されます。

ご自身の物件が空き家条例適用の可能性があるかご不安な場合は、弊社までご相談ください。ご相談は無料です!

管理のできない空き家オーナーが検討すべきこと

  • 管理をお願いする
  • 売却をする
  • リフォーム・建て替えをする

ご自身で管理のできない空き家オーナー様がとるべきアクションは、管理を依頼する、売却をする、リフォーム・建て替えをするのいずれかになります。

なかでも、リフォームや建て替えをする場合でも、一時的には綺麗になりますがその後の継続的な管理がなければ再度同じ状況に陥ってしまいますので、建て替え後の活用方法や管理方法を検討する必要があります。

活用方法特徴
空き家貸出サービス空き家をレンタルスペースとして貸し出す
大規模修繕が必要
戸建て賃貸戸建てを賃貸で貸し出す
大規模修繕か建て替えが必要
シェアハウスシェアハウスとして貸し出す
大規模修繕か建て替えが必要
アパート賃貸アパートとして貸し出す
建て替えが必要
セーフティーネット住宅セーフティーネット住宅として貸し出す
大規模修繕か建て替えが必要

一言で活用と言っても、活用方法は様々あり、今回のケースでは当時目新しかったセーフティーネット住宅という活用方法も含めて幅広く検討しました。

セーフティーネット住宅とは?

高齢者や子育て世帯、障害のある方、所得の低い方など、住居の確保に困っている人を受け入れるための住宅として登録された住宅のこと。

セーフティーネット住宅に登録されている場合、入居者は国から家賃補助を受け取って住まうことができます。(※入居には条件あり)

セーフティーネット住宅居情報提供システム

実際に行った解決策

  • 空き家は解体し、アパートを建築
  • サブリース契約で管理もおまかせ

今回のケースでは、あらゆる可能性を比較した結果、空き家は解体してアパートを建築し、アパートの管理も管理会社にお任せするという選択をしました。

売却すると一時的にはまとまった資金を得られるものの、生まれ育った実家を売却することへの抵抗感や、売却益が尽きるとご子息様に何も残せなくなってしまう懸念から、不動産は次の世代へ残したいという結論に至りました。

戸建て住宅として貸し出す方法も、老朽化しきった住宅の状況から、修繕をするにしても莫大な金額が必要であり、費用と収益のバランスから低層のアパートを建築することとなりました。

また、サブリース契約により、毎月の不動産収入を安定させたうえ、物件の管理もお任せできるよう配慮し、オーナー様のご懸念事項を全て払拭できる対策となりました。

サブリース契約のデメリット

今回のケースでは、アパートのサブリース契約が最適であるとの結論に至りましたが、サブリース契約にはデメリットもあります。

メリットデメリット
長期的に収入が安定する
室・滞納のリスクがない
物件管理・入居募集の手間がない
仲介手数料や広告費がかからない
満室時収入が下がる
どんな人が入居しているか分からない
礼金は管理会社が受け取る
管理会社からの解約や家賃改定もあり得る

サブリース契約は、空室や滞納のリスクを管理会社に負ってもらうため長期にわたって安定的に収入を得ることができます。

物件の管理や入居募集、新規入居者の仲介手数料や広告費がかからない分、満室時の家賃収入はサブリース契約をしていない時と比べて低くなり、また入居時の礼金も管理会社の取り分となるのが一般的です。

また、管理会社からのサブリース契約の解約や家賃改定が発生する可能性があることで、全国的なニュースになったこともあります。

サブリース契約を検討する際には、メリット・デメリットを十分に理解し、信頼できる管理会社と契約するようにしましょう。

解決策の効果

  • 新築による近隣住民の不安解消
  • 次世代に残せる資産の形成
  • 物件管理の不安の解消

管理ができず放置され荒れ果てた空き家は、閑静な住宅街に馴染む綺麗な新築アパートに生まれ変わりました。

オーナー様やご子息様からだけでなく近隣住民からも喜ばれ、次の世代に残せる有益な不動産として生まれ変わったアパートは、オーナー様の抱える管理の不安も解消でき、関係者皆様にとって喜ばれる物件となりました。

計画中には、建て替えに伴う費用を借入することに対して大きな不安や、そもそも自身のご年齢(70歳台)的にも借入ができるのかという不安を抱えていらっしゃいましたが、サブリースにより継続的な安定収入が見込まれる点と、万が一まとまった現金が必要になった際には収益物件として売却できることもあり、建築後には一切の不安がなくなっていたようです。

今にも崩壊しそうだった空き家が綺麗な賃貸物件に生まれかわり、管理の不安や、大雨や台風の時に空き家が崩れて近隣に迷惑をかけてしまわないかといった不安からも解放され、非常に喜んでいただけた事例でした。

生前対策・不動産売買に全く同じケースはありません。

ひとりひとり事情や状況は違うので、他人にとってベストな提案があなたにとってもベストな提案とは限りません。

私たち株式会社Rezardは、あなたにとってベストな提案ができるよう、あなたに寄り添うパートナーを目指します。

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監修

宅地建物取引士|ファイナンシャルプランナー
新卒で大手ディベロッパーに勤務。用地取得や投資用物件の売買に従事し、経営企画に参画。その後独立し、宅建業者のアドバイザーを歴任。これまでに売買した不動産は100件を超える。

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